〜表現者としての心と身体を再発見する〜紹介動画:%3Ciframe%20width%3D%22560%22%20height%3D%22315%22%20src%3D%22https%3A%2F%2Fwww.youtube.com%2Fembed%2FDI3i5Yh8pBc%3Fstart%3D140%22%20title%3D%22YouTube%20video%20player%22%20frameborder%3D%220%22%20allow%3D%22accelerometer%3B%20autoplay%3B%20clipboard-write%3B%20encrypted-media%3B%20gyroscope%3B%20picture-in-picture%3B%20web-share%22%20allowfullscreen%3D%22%22%3E%3C%2Fiframe%3E"There are three masks:the one we think we are,the one we really are,and the one we have in common"-Jacques Lecoq 「(私たちがもつ)仮面には3種類ある:自分が思う自分、真実の自分、そしてみなが持つ仮面だ」-ジャック・ルコック人間はそれぞれが自我を持っています。わたしたちには社交性があり、成長と共に生きるために個性という仮面を持つようになり、処世してゆきます。その中で、何をすべきか?など周りの求めや意見・助言を受け入れるうち、徐々に根源を見失っていってしまいます。このジャック・ルコックの学習の中で初期に学ぶニュートラル・マスクでは、”まだ”言葉を使いません。そして特定のジャンルの演技技術を学ぶのでもありません。このワークではシンプルに生命そのものに目を向けます。私たちの無垢な創造性-創造の原動-をもういちど取り戻します。ジャック・コポーが生み、ルコックが発展させ、フィリップ・ゴーリエを始め20世紀を代表する多くの演劇実践者の手を経て育ってきたこのマスクの根源は、ただただ、俳優の演じる悦びを確かに感じ、発見しなおすことに他なりません。ニュートラル・マスクは、他のどんなマスクとも違って感情や個性がありません。過去や未来を持たない、”今ここ”に存在し続ける普遍的なマスクです。このマスクはつける俳優に対して、ニュートラル(中立)の身体であることを求めます。だからこそ、このマスクをつけた"その人そのもの"を浮き彫りにします。このマスクの目的は、ニュートラルな俳優を育てることではありません。ニュートラルという想像上の身体に取り組むことで、不完全なわたしたちを知り、楽しめるようになることが重要です。さらに俳優と役の隔たりを知ることで、演じることの楽しさを知っていきます。(ニュートラル・マスク クラスフォト)また技術的に学ぶことも多くあります。日常生活の中でも舞台表現でも、私たちは「顔」から多くの情報を得ますが、ニュートラル・マスクをつけた顔には「ヒトである」ということ意外の情報がありません。そのため、見ている人は必然的に情報を得ようと他の部位を注目し始めます。その時、身体が何を語っているのかを明瞭に”見る”ことができるようになり、言葉や考えが浮かび上がってきます。ここで初めて、"自分の身体がいかにおしゃべりか"気づくことになるでしょう。さらにこのクラスでは、演技における普遍的な詩的感覚も養います。色や質感、音、光、空間、その中での身体のあり方。人間は自然界にあるものの模倣から発展し、芸術においても同様です。それらをどのように演技に、表現に利用するのか?Roll up in a ball on the ground. Make a tree grow. Let it rise up and become rooted with every push. Open your arms like branches. Walk, pulling up the roots. Shout each time it heaves itself up from the ground. Let your voice pass into the roots. Now you have Achilleus walking towards Hector:-Quoted from Le Gégèneur / The Tormentor written by Philippe Gaulier地面に体を丸めよ。一本の樹を生やせ。それを押し上げるごとに根を張らせよ。腕を枝のように広げよ。歩け、根を引き抜きながら。大地から抜けるたびに叫べ。声を根へと通わせよ。今や、あなたはヘクトルへと歩み寄るアキレウスだ:-Le Gégèneur / The Tormentor の一節より引用、フィリップ・ゴーリエ著これらエレメントや要素を私たちは感じ、影響され、反応し動き、感情が現れるのをエクササイズを通して学んでいきます。私たちは「ヒト」である前に生き物であり、「反応」には社交性をもつ「人間」だけでなく、もっと普遍、もっと命に近いところにあるものがあります。ニュートラル・マスクの素晴らしい点は、そういった「人として」ではなく「命として」どうあるのか?という表現の根本に向き合い、様々なしがらみを外し、もう一度「自分」を見直し、出発点に立つのに適した状態に導いてくれることです。また、このクラスでは”旅”を作ります。ニュートラル・マスクが様々な場所を旅し、それを身体のみで表現する。とてもシンプルで根本的なエクササイズですが、明瞭性と正確性、コントロール、リズムなど、身体の表現をしっかり学ぶ必要のある、やりごたえのあるものです。ニュートラル・マスクは最初、やりづらさを生み、呼吸もしづらく、困難さがあるかもしれません。ですが、それらがなくなり自然と動けるようになった時、必然とニュートラル・マスクは外れ、次に向けた"準備のできた身体"が生まれるでしょう。