〜キャラクターを発明するために〜幼虫を意味する”Larval ラーバル”という名のマスク。ダーウィンの進化論のような”シアター的キャラクター進化論”があるとすると、ニュートラル・マスクはアウストラロピテクスであり、このラーバル・マスクは北京原人といったところでしょうか。マスクはキャラクターであり、”シアター的キャラクター進化論”ではその後、より”複雑な人間(キャラクター)”へ、より精巧な、人の顔に限りなく近しいもの、unmaskedに進化していきます。この”原初のキャラクター”のようなラーバル・マスクのクラスでは、キャラクターを読み解き、そのキャラクターの方向性を作ることを学びます。(ラーバルマスク クラスフォト)アメーバのような進化の初期のマスクであるが故にその進化の可能性を実験的に探ることのできる、とても魅力的なマスクです。現実の人間は、このラーバル・マスク以上に複雑で、単純には理解し難く、また方向性がある程度明示されており、そこに遊びの余地が少ないものも多いです。ですがこのラーバル・マスクは未発展であるが故の空白があり、それを俳優がどう埋め作り上げるかを実験できる、学びが多い懐の広いマスクです。この自由度の高いマスクから、基本的な舞台上での立ち居振る舞いやコーラスの基礎、また様々なタイプのキャラクターを発見するプロセスを学んでいきます。人間であるのかどうかよくわからないマスクなのですが逆説的に、人間とはなにか?という迫真に迫ることのできる非常に意義深いクラスです。