〜心身の意識を高め、想像力と感情を豊かにし、創造へつなげる旅〜このワークショップはどなたでも参加できる特別な2日間のプログラムです。経験豊富な講師陣とともに、演技者としての「こころとからだ」をつなげ、豊かな表現を目指しましょう。俳優にとってムーブメント トレーニングは、どのように重要なのでしょうか?今回コラボ講師を務めてくださるYokko氏よりー欧米の大学機関やプロの俳優養成所の訓練では演技 (Acting)、声 (Voice)、動作 (Movement) の3科目が必須で、俳優の技巧(craft)を育てる重要な要素となります。今回は日本ではあまり注目されていない役者の為の動作トレーニングをご紹介したいと思います。Actor の心身は楽器 (instrument) のようなものです。そして自身は楽器奏者であると同時に楽器そのものなのです。Movement For The Actor ではその楽器 (ActorのBodyMind: 身体、気、 心、感情, 精神) の調整調律(チューニング)から始まり、次に耕し(カルティベーティング)、そして役を体現します。今回は主に基盤となるチューニングとカルチベーティングを中心にご紹介しつつ、どのようにムーブメント訓練が役創りに繋がるかを少しでも体験していただけたらと思います。まず、自身がどのような楽器を持っているのか意識を育てます。俳優はそれぞれ独自の楽器を持っており、その楽器に関する知識を得ること(自分自身と向き合い、自覚し、理解すること)は、心身ともに開放的な状態(基本体)に到達するための鍵となります。こころとからだ、呼吸と動作を繋げていくことでより深い感情に触れることができ、衝動を呼び起こし、想像力も豊かになります。俳優の楽器(ご自身)は一人一人個性があるため、俳優の為の動作訓練もあらゆる方向性からのアプローチがあります。その中でご自身に最も適したアプローチを探していくのも訓練の過程となります。今回3日間という短い期間ですが、複雑なようで、実はシンプルな動作訓練の一環をご紹介し、体験していただき、俳優さんたちの手助けになればと思います。1日目:『Meet Where We are 〜自分の"楽器"を再発見する〜』Yokkoパート:俳優という仕事を芸術家や職人であると考えると、俳優が創造するものは、自分自身やその身体から産まれる、と言えるでしょう。なので、自分が持つ楽器(身体/ 気/ 心/ 感情/ 精神)について知ることは、演技を学ぶ過程においての基盤となります。そこでPure Movement (呼吸と動作を通して得る身体の知識)を中心に自分の"楽器"と出会い、こころとからだを繋げていきつつ、隠された本物の感情を即興ムーヴメント(動作)や想像の体現法を通して解放していきます。達也パート:このセッションではコポーやルコックのニュートラル・マスクの基礎トレーニングを主体として進めます。身体の理解と正確さ、空間感覚を養い、シンプルでイマジニティブなワークを通して、「自分の想像の世界」と「外の現実の世界」をつなぐための身体を見つけます。ニュートラル・マスクWSから初日はふたつのセッションを通して、身体を馴染ませ、表現する準備が整った身体をつくることにフォーカスしていきます。2日目:『Tuning Your Instrument 〜"楽器"の調整と調律〜 & The Sculpture 〜彫刻〜』*この日はYokko氏のワークのみとなります。Yokkoパート:初日に続き、自身の楽器(身体、気、 心、感情, 精神)と出会い、調律の仕方を学びつつ、様々な体の状態を体感し感覚と感情を繋げて、より繊細な"楽器"へと調整していきます。また午後セッションでは、全身を通して現時点での自身のいのちの表現を模索します。同時に自身と他者の関係性を創っていきます。Yokko氏提供3日目:『こころとからだ、そして調和と遊び』Yokkoパート:ここまで培ってきた自身の"楽器"を使って、どう他者と調和し遊ぶか?を探究します。自分自身と繋がり、その上で他者や空間と関わります。俳優が役を演じるとき、与えられた想像の状況設定下で"本当に生きる技巧"は、俳優にとって重要です。動作を通しての呼吸、エネルギーの交換、そして自然にその空間にいき(息、生き)ることを探求していきましょう。達也パート:最後のセッションでは、想像の世界と繋がった身体をコントロールし、自身の中の世界を観客の想像の中に生み出すために必要な基礎を学びます。劇場は、表現者と観客それぞれの想像が交わる空間です。わたしたちの想像は自然的に生まれ、無理やりに何かすることはできません。そこには流れとリズムがあり、「適したなにか」があります。その「適したもの」に反すると、とたんに想像は阻害されてしまいます。その適したものをより効果的に、相乗的に利用する術をわたしたちは持たねばなりません。このセッションではそれを実践的に学びます。ニュートラル・マスクWSから最終日には、全体を通して学んできたことを統合し、持ち帰ったあとの実践の場で、呼び出すことができるように固めていきます。今までにない自分の身体を発見する機会につながればと思います。講師紹介:*YokkoNYを拠点に欧米で活動する Actor、Performing Artist、振付師、Movement 講師、演出等。舞踏と演劇を混ぜた自身の作品、「舞踏メディア」が数々の賞をとり、欧米各地で2014年からツアー公演をしている。公演と同時にツアー先で自身のワークショップも開くよう依頼されたことがきっかけで、講師としての機会も増え、その流れで現在はニューヨークのアクターズスタジオドラマスクール(MFA)やストラスバーグ演劇学校を始めとするNYにある俳優養成プログラム等でMovement 講師を務めている。講師活動の合間にも役者として他作品への出演、ミュージシャンやビジュアルアーティストとのコラボ、そして自身の作品創りや発表も続け、精力的に活動している。Movement For The Actor としてはMerry Conway に主に師事。演技: The Actors Studio (エリザベス・ケンプ, スーザン・アストン), ヴォイス:リンクレイター, ムーブメント: 多数, シェイクスピア: Shakespeare & Company, クラウン: マイケル・エフ・トューミー*安本達也/ Tatsuya YasumotoPhoto by John Matthews舞台芸術家。大阪芸術大学出身。卒業後三重県私費海外留学生奨学金(MIEF)奨学生として渡英、East15 Physical Theatreコース卒業。RADA Shakespeare Certificate取得。帰国後はInternational Centre for Theatre ArtsにてAssociate Director及びパフォーマーとして舞台作品を制作。日本をはじめイラン、韓国、香港などでワークショップや公演を行う。Iran International Festival of University Theatreでのパフォーマンス「UNtitled」では”最も優れた演出家のひとり”と賞賛された。コンタクトインプロ(CI)についての造詣も深く、各国でワークショップを開く。Kaeja Elevations®認定講師。CI歴は10年以上。舞台作品は、パペットやマスク、ダンスなどストーリーにあった手法を用いた型にはまらないものであることが多い。2023年度より現代アートとしての新しい舞台芸術の可能性を育むため、演劇の学校|シアタースコラを開校。同校の代表を務める。CIを起点としたパフォーマンスと教育を行う団体、ParaCollageを2023年に設立。『身体から学んでいく』俳優は一人ひとり異なる“楽器”を持っています。だからこそ動作訓練には多様なアプローチがあり、自分に合った方法を見つけることも大切なプロセスです。呼吸と動作をつなぎ、心身を開き、衝動と想像力を引き出していく——その一歩を、まずは体験から。あなたの“楽器”を調律する時間を、一緒に過ごしてみませんか?この貴重な機会をぜひお見逃しなく!お会いできるのを楽しみにしています。