〜丁寧な舞台創りを学ぶ〜あなたは普段から「丁寧に舞台を創って」いますか?「丁寧に創る」とはどういうことでしょうか?丁寧な舞台創りとは、演出家や脚本家の指摘を間違えずに計画通り行うことでしょうか?脚本やキャラクタを深く掘り下げシーンスタディをたくさん行うことでしょうか?「丁寧に舞台を創る」とは「シンプルなものを信じ、ひとつひとつ段階を踏んで行う」ことではないでしょうか。感受性が豊かな俳優は、何かかがうまくいっていないと感じると、つい複雑なことをしてその場を保たせようと努力してしまいます。ですが、俳優が何かしようとすればするほど、その俳優がつまらなくなっていってしまうのを何度も観てきていないでしょうか?複雑は、シンプルなものが同時に起こり発生する現象です。そのひとつひとつが丁寧にこなされていないと、複雑さを楽しめず、代わりに煩雑になってしまいます。さて、作画オタクと呼ばれる人たちをご存知でしょうか?彼らは見えている画の良し悪しを見るために、わざと音を消してアニメを見るそうです。そうすることで動き本来が表現していることや、その正確さをより明確に知ることができるのです。俳優にとって、この作画は身体の動きと言い換えてもいいでしょう。この動きをシンプルにひとつひとつ段階を踏んでつくられた動きにちゃんと声を乗せて届けることができれば、それはもう驚くほど共鳴し、演技をより効果的に観客に届けることができるでしょう。今回はハーフマスクなので喋りますが、動きの正確さを知るためにフルマスクも活用し「丁寧に舞台を創る」ことに取り組んでいきます。丁寧なことをシンプルに。シンプルなことを丁寧に。一緒に、丁寧に舞台創りをやっていきましょう。