〜テキストと俳優をつなげる〜単発WSの「声とモノローグ」はこちら良質なモノローグ(独白)はそれだけで、質の高い芝居を観るのと同じようにさまざまな経験をさせてくれます。モノローグは、キャラクターが今まさに直面している「思考の旅」とも言うことができます。俳優は、実に様々な技術を用いて"旅"を可能にします。感情、呼吸やイメージ、音素の響きと種類、そして肉体。これらを創造的に組み合わせ、扱うことで俳優は全身で語り始め、字面ではない表現が生まれ、それが観客に伝わり、感情が創起され、キャラクターの思考を追体験させていきます。Two Olds and A Young(2023, 日本) より、写真人物(出演):小島啓寿/ 演出:安本達也このクラスではアクセントや発声にも取り組み、「表現したいことを実現できる状態」を目指します。また自分のモノローグを作り、発表することで俳優だけでなく劇作への興味を知ることもできます。またモノローグの歴史や劇作での位置付けなどの座学に加え、呼吸の扱い方、間など実践に必要な訓練も同時に行なっていきます。モノローグには、"Driving thoughts"(思考を導くこと)が必須となりますが、これは冒頭に書いたように、“旅”によく例えられます。俳優は観客を旅に連れていく運転手です。観客はセリフという乗り物に乗り、俳優の手によって様々な思考の旅をします。俳優は、インテンション(意図)や感情、ストーリー、テンション(緊張)、空間、リズムなどたくさんのツールを使って乗り物を運転します。その旅路のことを想像と呼ぶのでしょう。素晴らしい旅であれば、その道程がどうであれ、充足感と疲労感を、経験を通して得ることができるでしょう。一緒に旅をしましょう。なるべく遠くへ。見たことのない景色を見にいきましょう。それが旅の醍醐味です。